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NEW!2026/02/24

ワイヤーフレームの作り方完全ガイド|ツール選定から具体例まで


ワイヤーフレームの作り方完全ガイド|ツール選定から具体例まで

Webサイトやアプリケーションを開発する際、「まずはワイヤーフレームを作成しましょう」とよく耳にしませんか?しかし、ワイヤーフレームが何なのか、なぜ必要なのか、どうやって作るのか、具体的なイメージが湧かない方も多いのではないでしょうか。この記事では、そんなあなたの疑問を解消します。ワイヤーフレームの基本から、具体的な作成手順、おすすめツール、そして実際の例まで、開発初心者の方でも理解できるよう丁寧に解説していきます。この記事を読めば、あなたのアイデアが確かな形になり、開発チームとのスムーズなコミュニケーションが実現できるようになるはずです。さあ、一緒にワイヤーフレーム作成の第一歩を踏み出しましょう!

ワイヤーフレームとは?その目的と重要性

Webサイトやアプリケーションを開発する際に、「ワイヤーフレーム」という言葉をよく耳にするかもしれません。ワイヤーフレームとは、Webサイトやアプリのレイアウトや情報構造を視覚的に表現した設計図のことです。色や画像、フォントなどのデザイン要素は含まず、線やシンプルな図形、テキストのプレースホルダー(仮の文字)を使って、コンテンツの配置や機能、画面遷移などを大まかに示します。

例えるなら、家を建てる前の「骨組み」や「間取り図」のようなものです。どのような部屋がどこに配置され、どのくらいの広さで、どこにドアや窓があるのかを具体的に示すことで、住む人や施工者が完成形をイメージしやすくなります。ワイヤーフレームもこれと同じように、Webサイトやアプリの「骨格」を明確にし、開発に関わる全員が完成イメージを共有するための重要な役割を担っています。

なぜワイヤーフレームが必要なのか?開発におけるメリット

ワイヤーフレームは、単なる設計図に留まらず、開発プロジェクトを円滑に進める上で多くのメリットをもたらします。具体的なメリットは以下の通りです。

  • 開発効率の向上と手戻りの削減 ワイヤーフレームを作成することで、開発の早い段階でレイアウトや機能に関する課題を発見し、修正できます。これにより、開発が進んでから大幅な変更が発生する「手戻り」を最小限に抑え、開発期間の短縮とコスト削減に繋がります。

  • チーム間の認識齟齬防止 デザイナー、エンジニア、ディレクターなど、異なる役割を持つチームメンバーが共通の視覚的な設計図を共有することで、それぞれの認識のズレを防ぎます。「こんなはずじゃなかった」といった誤解が減り、スムーズな連携が可能になります。

  • クライアントとの合意形成の容易さ ワイヤーフレームは、クライアントに対して完成イメージを具体的に提示できるため、口頭での説明よりもはるかに理解しやすくなります。早期の段階でクライアントの要望を反映し、合意を得ることで、プロジェクトの方向性を固め、後々のトラブルを防ぐことができます。

  • UI/UXデザインの初期検証 ユーザーインターフェース(UI)やユーザーエクスペリエンス(UX)の観点から、情報が適切に配置されているか、ユーザーが迷わずに操作できるかなどを初期段階で検証できます。これにより、ユーザーにとって使いやすい設計を早期に追求し、改善に繋げられます。

  • コンテンツの洗い出しと優先順位付け ワイヤーフレームを作成する過程で、必要なコンテンツ要素が明確になります。どの情報が重要で、どこに配置すべきかといった優先順位を整理しやすくなり、情報設計の精度を高めることができます。

このように、ワイヤーフレームは開発の初期段階で未来のWebサイトやアプリの姿を明確にし、関わるすべての人が同じ目標に向かって進むための羅針盤となるのです。

ワイヤーフレームに含めるべき基本要素

ワイヤーフレームは、Webサイトやアプリケーションの骨格を設計するための重要なツールです。単なる見た目のデザインではなく、ユーザーがどのように情報を取得し、操作するのかを明確にするための基本要素を含める必要があります。ここでは、ワイヤーフレームに盛り込むべき主要な要素について解説します。

画面遷移と情報構造の設計

ワイヤーフレームを作成する上で、まず重要となるのが「画面遷移」と「情報構造」の設計です。これは、ユーザーがWebサイトやアプリ内をどのように移動し、コンテンツがどのように整理・配置されるかを決める設計の根幹をなす部分です。

画面遷移の設計では、サイトマップやユーザーフロー(ユーザーが目的を達成するまでの行動経路を図式化したもの)を参照しながら、どの画面からどの画面へ移動するのか、その経路を明確にします。例えば、トップページから商品一覧ページへ、そして詳細ページへと進む一連の流れを視覚化することで、ユーザーが迷わずに目的の情報にたどり着けるかを検証できます。

情報構造の設計では、サイト内のコンテンツをどのように分類し、階層化するかを定義します。これは、ユーザーが求めている情報を効率的に見つけられるようにするためのもので、情報の優先順位付けや関連性の整理に役立ちます。ワイヤーフレームでは、これらの要素を「このボタンをクリックすると次のページに移動する」「この見出しの下には関連情報が続く」といった形で簡潔に示し、全体像を把握できるようにします。

UI要素とレイアウトの配置

ワイヤーフレームでは、Webサイトやアプリを構成する主要なUI(ユーザーインターフェース)要素を配置し、大まかなレイアウトを決定します。ここでは、デザインの細部にこだわらず、情報の配置と機能の動線を明確にすることが目的です。

具体的にワイヤーフレームに含めるUI要素とレイアウトの考え方は以下の通りです。

  • コンテンツブロック: テキスト、画像、動画などのコンテンツが配置される領域を四角いブロックで示します。具体的な内容は後回しにし、何がどこに表示されるかだけを明確にします。

  • ボタンやリンク: ユーザーがクリックまたはタップする要素は、その機能が推測できるようなラベルを付けて配置します。例えば、「詳細を見る」「カートに入れる」などです。

  • 入力フォーム: 検索窓、お問い合わせフォーム、ログインフォームなど、ユーザーが情報を入力する部分を示します。どのような情報を入力させるのか、その項目を明確にします。

  • ナビゲーション要素: グローバルナビゲーション(全ページに共通して設置されたリンク)、サイドバーメニュー(左右の表示エリア)、パンくずリスト(サイトのどこにいるかを示すナビゲーション)など、サイト内を移動するための要素を配置し、どのページへリンクしているかを示唆します。

  • 画像・動画プレースホルダー: 画像や動画を配置する場所には、仮のボックスで「画像」「動画」などと記載し、その役割を示します。

  • 見出しと本文: ページのタイトルやセクションの見出し、本文などのテキスト要素を配置し、情報の階層構造を視覚的に表現します。

これらの要素を配置する際は、視覚的な階層を考慮し、ユーザーにとって重要な情報や操作が目立つように、優先順位を付けて配置することが重要です。

ナビゲーションとインタラクションの定義

ワイヤーフレームでは、単に静的な画面構成を示すだけでなく、ユーザーがどのように操作し、システムがどのように反応するかという「ナビゲーション」と「インタラクション」の定義も重要です。

ナビゲーションとは、ユーザーがWebサイトやアプリ内を移動するための仕組み全般を指します。具体的には、グローバルナビゲーション(ヘッダーメニュー)、パンくずリスト、サイドバーメニュー、フッターメニュー、タブ、アコーディオンメニューなどが挙げられます。ワイヤーフレームでは、これらのナビゲーション要素がどこに配置され、どのような項目が含まれているかを示し、ユーザーが目的のページへ迷わずたどり着けるように設計します。例えば、矢印や簡単なテキストで「このリンクをクリックすると〇〇ページへ遷移」といった注釈を加えることで、その機能と遷移先を明確にできます。

インタラクションとは、ユーザーの操作(クリック、ホバー、スワイプなど)に対して、システムがどのように応答するかを示すものです。ワイヤーフレームでは、すべてのインタラクションを詳細に表現する必要はありませんが、主要なインタラクションは示しておくことが望ましいです。例えば、ボタンをクリックした際に「モーダルウィンドウが表示される」「フォームが送信される」といった動きを、簡単なテキストや矢印、吹き出しなどで表現します。これにより、開発者や関係者がユーザー体験を具体的にイメージしやすくなり、認識の齟齬を防ぐことにもつながります。

ワイヤーフレーム作成の具体的なステップ

ワイヤーフレームは、企画から開発、リリースまでの一連のプロジェクトを円滑に進めるための重要な設計図です。ここでは、ワイヤーフレームを実際に作成する際の具体的な手順を、企画段階からレビュー・修正までステップバイステップで解説します。

ステップ1:企画・情報収集と要件定義

ワイヤーフレーム作成の最初のステップは、プロジェクトの目的を明確にし、必要な情報を徹底的に収集することです。このフェーズでプロジェクトの方向性が決まるため、非常に重要です。

まずは、以下の点を明確にしましょう。

  • プロジェクトの目的: ユーザーに何を提供したいのか、ビジネスとしての目標は何か。

  • ターゲットユーザー: 誰がこのWebサイトやアプリを使うのか、その人たちのニーズや課題は何か。

  • 必要な機能: ユーザーが目的を達成するために必要な機能は何か。

  • コンテンツの種類: どのような情報やコンテンツを掲載するのか。

これらの情報を明確にするためには、クライアントや関係者へのヒアリング、競合となるWebサイトやアプリの分析、ターゲットユーザーの行動を想定したユーザーシナリオの作成などが有効です。この段階でしっかりと要件を定義することで、後工程での手戻りを最小限に抑えることができます。

ステップ2:アイデア出しとラフスケッチ

情報収集と要件定義が完了したら、いよいよ具体的なアイデア出しとラフスケッチの作成です。この段階では、デジタルツールを使う前に、まずは紙とペンを使って手書きでアイデアを形にすることをおすすめします。

手書きのラフスケッチには、以下のようなメリットがあります。

  • スピード: 思いついたアイデアを素早く、自由に書き出すことができます。

  • 柔軟性: 修正や変更が容易で、様々なパターンを試すことができます。

  • 思考の整理: アイデアを視覚化することで、思考が整理され、新たな発見につながることもあります。

ブレインストーミングを行いながら、メインとなる機能やコンテンツの配置、画面遷移などを自由に書き出してみましょう。細部にこだわりすぎず、大まかなレイアウトや要素の配置を意識することが重要です。

ステップ3:ワイヤーフレーム作成ツールの選定

ラフスケッチでアイデアが固まってきたら、次にデジタルツールを使ってワイヤーフレームを作成するための準備として、最適なツールの選定を行います。世の中には無料から有料まで様々なワイヤーフレーム作成ツールが存在するため、自身のプロジェクトの規模や要件、スキルレベルに合ったものを選ぶことが大切です。

選定の際には、以下の点を考慮すると良いでしょう。

  • 共同作業のしやすさ: チームで作業する場合、リアルタイムでの共同編集機能は重要です。

  • プロトタイピング機能: 画面遷移や簡単なインタラクションを再現できるか。

  • 学習コスト: 初心者でも直感的に使えるか、チュートリアル(使用説明)が充実しているか。

  • 費用: 無料で使えるツールで十分か、有料ツールに投資する価値があるか。

次のセクションで具体的なツールを紹介しますが、ここでは「どんなツールがあるのか」「自分のプロジェクトには何が合っていそうか」という視点でざっくりと把握しておきましょう。

ステップ4:ツールの使い方とワイヤーフレームの作成

選定したツールを使って、ステップ2で作成したラフスケッチをデジタル化し、具体的なワイヤーフレームを作成していきます。

基本的な作成手順は以下の通りです。

  1. 新規ファイルの作成: プロジェクトに合わせた適切なサイズ(Webサイトならデスクトップ、モバイルアプリならスマートフォンサイズなど)でキャンバスを設定します。

  2. 基本レイアウトの配置: ヘッダー、フッター、メインコンテンツエリア、サイドバーなど、ページの主要なブロックを配置します。

  3. UI要素の配置: ボタン、入力フォーム、画像プレースホルダー、テキストボックスなど、必要なUI要素を配置していきます。ツールのライブラリ機能を活用すると効率的です。

  4. テキストの仮入れ: 実際のコンテンツが決まっていない段階でも、「タイトル」「見出し」「本文」といった形で仮のテキストを入れて、情報量やバランスを確認します。

  5. ナビゲーションの定義: グローバルナビゲーションやローカルナビゲーション(カテゴリ一覧など特定の情報に関するリンク)の項目を配置し、ユーザーがどのようにページ間を移動するかを表現します。

  6. 画面遷移の作成: 複数の画面がある場合は、それぞれのワイヤーフレームを作成し、ツールによっては画面間のリンクを設定して遷移をシミュレーションできるようにします。

この段階では、色やフォント、細かいデザインは気にせず、あくまで「情報構造」と「機能配置」に集中することがポイントです。

ステップ5:レビューと修正

ワイヤーフレームが完成したら、チームメンバーやクライアント、関係者と共有し、フィードバックをもらうレビューのプロセスに入ります。このレビューを通じて、ワイヤーフレームの改善点を見つけ出し、より良いものへと昇華させていくことが重要です。

効果的なレビューのためには、以下の点を意識しましょう。

  • 目的の明確化: レビューの前に、ワイヤーフレームで何を確認したいのか(例:ユーザー導線は適切か、必要な機能は網羅されているか)を伝えます。

  • 具体的なフィードバックを促す: 「もっと良くしてほしい」ではなく、「このボタンはもっと大きい方が良い」「この情報は別の場所に移動させた方が分かりやすい」など、具体的な意見を引き出せるように促します。

  • 建設的な議論: フィードバックは真摯に受け止め、感情的にならず、プロジェクトの成功のために建設的な議論を心がけましょう。

受け取ったフィードバックを基に、ワイヤーフレームを修正し、必要であれば再度レビューを行うことで、関係者全員が納得できる最適な設計へと磨き上げていきます。この繰り返しが、プロジェクトの成功につながる質の高いワイヤーフレームを生み出します。

おすすめのワイヤーフレーム作成ツール

ワイヤーフレーム作成には、さまざまなツールが存在します。ここでは、無料で手軽に始められるものから、プロフェッショナルな現場で活用される高機能な有料ツールまで、幅広くご紹介します。ご自身のプロジェクトの規模や目的に合わせて最適なツールを選びましょう。

無料で使えるツール

まず、コストをかけずにワイヤーフレーム作成を始めたい方におすすめの無料ツールをいくつかご紹介します。これらのツールは、特に初心者の方や小規模なプロジェクトで役立つでしょう。

  • Figma (FigJam)

    • 特徴: Webブラウザ上で動作し、リアルタイム共同編集が可能です。Figma本体はデザインツールですが、そのホワイトボード機能であるFigJamを使えば、手軽にワイヤーフレームやフロー図を作成できます。直感的な操作性が魅力です。

    • こんな人におすすめ: チームでの共同作業が多い方、デザインツールに慣れていない初心者の方、手軽にアイデアを可視化したい方。

  • Cacoo (カクー)

    • 特徴: オンライン作図ツールで、ワイヤーフレーム以外にもフローチャート(流れを視覚的に表現した図)やマインドマップ(思考を可視化するための放射状の図式)など多様な図を作成できます。テンプレートが豊富で、共同編集機能も充実しています。無料プランでは利用できるシート数に制限があります。

    • こんな人におすすめ: ワイヤーフレームだけでなく、様々な図形をオンラインで作成・共有したい方。

  • MockFlow (無料プラン)

    • 特徴: ワイヤーフレーム作成に特化したツールで、豊富なUIコンポーネントが用意されています。無料プランでは1つのプロジェクトに限り利用可能です。

    • こんな人におすすめ: ワイヤーフレームの作成に集中したい方、UIコンポーネント(UIの部品、構成要素)を効率的に配置したい方。

有料で高機能なツール

次に、より高度な機能や大規模なプロジェクトに対応できる有料ツールをご紹介します。これらのツールは、プロフェッショナルな現場で求められる詳細な設計や連携機能を提供します。

  • Adobe XD

    • 特徴: Adobe製品との連携がスムーズで、UIデザインからプロトタイピング、共有まで一貫して行えます。共同編集機能も充実しており、デザインシステムとの連携も可能です。

    • こんな人におすすめ: Adobe製品(Photoshop, Illustratorなど)を日常的に利用している方、デザインからプロトタイピングまでを一つのツールで完結させたい方。

  • Sketch

    • 特徴: macOS専用のデザインツールで、UIデザインとワイヤーフレーム作成に特化しています。プラグインが豊富で、拡張性が高いのが特徴です。デザインコミュニティも活発です。

    • こんな人におすすめ: Macユーザーで、UIデザインに特化した高機能ツールを求める方、豊富なプラグインで作業効率を高めたい方。

  • Axure RP

    • 特徴: 高度なインタラクションや条件分岐を含む、非常に詳細なプロトタイプを作成できるのが最大の強みです。大規模なWebサイトや複雑なアプリケーションのワイヤーフレーム・プロトタイピングに適しています。

    • こんな人におすすめ: 複雑なインタラクションやユーザーフローを詳細に設計したい方、大規模プロジェクトで精密なプロトタイピングが必要な方。

ツール選びのポイント

最適なワイヤーフレーム作成ツールを選ぶためには、いくつかの重要なポイントを考慮する必要があります。以下のチェックリストを参考に、ご自身の状況に合ったツールを選びましょう。

  • プロジェクトの規模: 小規模なサイトやアプリであれば無料ツールでも十分ですが、大規模なサービス開発には高機能な有料ツールが適しています。

  • チームの人数と共同編集の必要性: 複数人で作業する場合、リアルタイム共同編集機能やコメント機能が充実しているツールを選ぶと効率的です。

  • 必要な機能:

    • 基本的なワイヤーフレーム作成: UIコンポーネントの豊富さ、配置のしやすさ。

    • プロトタイピング: クリック可能なプロトタイプ(試作品)を作成できるか、インタラクション(相互作用)の表現力。

    • デザインシステム連携: 既存のデザインシステムとの連携が可能か。

    • コメント・フィードバック機能: チームやクライアントからの意見を効率的に集約できるか。

  • 予算: 無料で始めたいのか、月額・年額費用をかけられるのか。

  • 学習コスト: 新しいツールを導入する際、どれくらいの時間と労力がかかるか。既にチームで利用しているツールがあれば、それに合わせるのがスムーズです。

  • OS環境: Windows、Mac、Webブラウザベースなど、利用する環境に対応しているか。

これらのポイントを考慮し、実際にいくつかのツールを試用してみることをおすすめします。そうすることで、ご自身やチームにとって最も使いやすく、プロジェクトをスムーズに進められるツールを見つけられるでしょう。

ワイヤーフレーム作成のコツと注意点

ワイヤーフレームは、Webサイトやアプリ開発の初期段階で非常に重要な役割を果たしますが、その作成方法によっては思わぬ落とし穴にはまることもあります。ここでは、より効果的なワイヤーフレームを作成するためのコツと注意点を解説します。

目的を明確にする

ワイヤーフレームを作成する前に、そのワイヤーフレームが何を解決し、どのような目的を達成するのかを明確にすることが最も重要です。目的が曖昧なまま作成を進めると、無駄な要素を含めてしまったり、本来の課題解決につながらないワイヤーフレームになってしまったりするリスクがあります。例えば、「ユーザーがAというタスクをスムーズに完了できるか」といった具体的な目的を設定することで、必要な要素やレイアウトが自ずと見えてきます。

シンプルさを保つ

ワイヤーフレームは、あくまでも情報構造や機能の骨格を設計するためのものです。そのため、色、フォント、詳細な画像といったデザイン要素は極力排除し、シンプルさを保つことが大切です。デザインにこだわりすぎると、本質的な情報構造や機能に関する議論が阻害され、見る側の視点が分散してしまいます。シンプルな線とテキストで構成することで、本当に議論すべきポイントに集中でき、手戻りも最小限に抑えられます。

共通のルールを作る

複数人でワイヤーフレームを作成する場合や、大規模なプロジェクトで一貫性を保ちたい場合は、事前に共通のルールを設けることが非常に有効です。例えば、特定のコンポーネントの表現方法、命名規則、注釈の付け方などを統一することで、作成者による認識のズレを防ぎ、コミュニケーションロスを大幅に削減できます。これにより、チーム全体の作業効率が向上し、最終的なアウトプットの質も高まります。

誤解を招く表現を避ける

ワイヤーフレームの目的は、関係者間で認識を統一することにあります。そのため、曖昧なテキストや記号の使用は避け、誰が見ても同じ認識を持てるように明確に表現することが重要です。特に、ボタンの挙動やフォームの入力規則といったインタラクション、または複雑なロジックを表現する際には、誤解が生じやすいポイントです。例えば、「ここに画像が入ります」ではなく、「商品写真(横幅300px)が入ります」のように具体的に記述したり、吹き出しや矢印を使って画面遷移やエラー時の動作を明記したりすることで、開発者やクライアントとの認識齟齬を防ぐことができます。

ワイヤーフレームの活用方法

ワイヤーフレームは、単なる設計図として作成するだけではその真価を発揮しません。作成したワイヤーフレームを最大限に活用することで、プロジェクトの成功に大きく貢献できます。ここでは、開発チームへの効果的な引き継ぎ、プロトタイピングへの応用、そしてクライアントや関係者とのレビュープロセス(改善点や成功点を明確にするための手順)での活用方法を具体的に解説します。

開発者への共有と引き継ぎ

ワイヤーフレームは、開発チームが具体的な実装を進めるための重要な指針となります。スムーズな引き継ぎを行うことで、手戻りを減らし、開発効率を向上させることができます。

まず、ワイヤーフレームには、単に画面のレイアウトだけでなく、各要素の機能や動きに関する詳細な注釈を付けることが重要です。例えば、「このボタンをクリックすると、〇〇のページに遷移する」「入力フォームは半角英数字のみ」といった具体的な指示を明記しましょう。また、仕様書が別途ある場合は、ワイヤーフレームと仕様書を紐付け、相互参照できるようにしておくと、開発者はより深く意図を理解できます。

引き継ぎの際には、口頭での補足説明も欠かせません。ワイヤーフレームだけでは伝わりにくいニュアンスや、デザインの意図、ユーザー体験に関する考えなどを直接伝えることで、開発チームとの認識齟齬を防ぎます。開発者からの質問には丁寧に回答し、不明点があればすぐに解決できる体制を整えることが、円滑なプロジェクト進行の鍵となります。

プロトタイピングへの活用

ワイヤーフレームは、さらに一歩進んでインタラクティブなプロトタイプへと発展させることができます。プロトタイプは、実際のユーザー体験に近い形で機能や操作感を検証できるため、早期に問題点を発見し、改善に繋げられるという大きなメリットがあります。

ワイヤーフレーム作成ツールの中には、画面間の遷移設定や、簡単なアニメーションを付与できる機能を持つものも多くあります。これらを活用し、まずは「ボタンをクリックすると次の画面に移動する」といった基本的な画面遷移を再現するだけでも、ユーザーの行動フローを具体的に確認できます。さらに、入力フォームの挙動や、特定の要素が表示・非表示になるインタラクションなども再現することで、よりリッチなプロトタイプを作成可能です。

プロトタイプは、ユーザーテストや関係者へのデモンストレーションに非常に有効です。実際に触れてもらうことで、静的なワイヤーフレームでは気づきにくい問題点や改善のヒントが得られます。

クライアントや関係者とのレビュー

ワイヤーフレームは、クライアントやプロジェクトの関係者と、Webサイトやアプリケーションの骨子を共有し、合意形成を図るための強力なツールです。効果的なレビューを行うことで、後工程での大幅な手戻りを防ぎ、プロジェクトを円滑に進めることができます。

レビューの際は、まず「何のためにこのワイヤーフレームを作成したのか」「今回のレビューで何を確認したいのか」といった目的を明確に伝えましょう。例えば、「情報構造と主要な機能配置に問題がないか」「ユーザーが目的を達成するまでの導線は適切か」など、具体的な評価ポイントを提示します。

フィードバックを収集する際には、漠然とした意見ではなく、具体的な改善案や理由を求めるように促しましょう。「なんとなく使いにくい」ではなく、「〇〇の機能がどこにあるか分かりにくいので、ここに配置してほしい」といった具体的な意見を引き出すことが重要です。また、レビュー中に認識の齟齬が生じた場合は、その場で丁寧に説明し、必要であればワイヤーフレームを修正しながら合意形成を図ることが大切です。

ワイヤーフレームの具体例

ワイヤーフレーム作成のイメージをより具体的に掴んでいただくために、ここではWebサイトとモバイルアプリ、それぞれのワイヤーフレーム例をテキストでご紹介します。実際のプロジェクトでは、これらの要素を図形や線で表現していくことになります。

Webサイトのワイヤーフレーム例

ここでは、一般的なECサイトのトップページを例に、PCとスマートフォンでの表示を想定したワイヤーフレームの構成要素を解説します。

  • PC版トップページ

    • ヘッダー(上部固定):

      • 左寄せ: サービスロゴ

      • 中央: メインナビゲーション(カテゴリ一覧、新着商品、セール情報など)

      • 右寄せ: 検索窓、カートアイコン、ログイン/会員登録ボタン

    • メインビジュアル(ヘッダー直下、全幅):

      • 大型のカルーセル(スライドショー)で主要なキャンペーンやおすすめ商品を訴求

    • コンテンツエリア(メインビジュアル下、左右に余白):

      • 上部: おすすめ商品(3列×2段のグリッド表示)、特集バナー(2列)

      • 中央: 新着商品(3列×2段のグリッド表示)、人気ランキング(テキストリスト)

      • 下部: ブログ記事やニュース(2列でタイトルと概要)、SNS連携アイコン

    • フッター(最下部、全幅):

      • 左寄せ: 会社情報、利用規約、プライバシーポリシー

      • 中央: 関連リンク、SNSアイコン

      • 右寄せ: 著作権表示

  • スマートフォン版トップページ

    • ヘッダー(上部固定):

      • 左寄せ: ハンバーガーメニューアイコン(タップでサイドナビゲーション展開)

      • 中央: サービスロゴ

      • 右寄せ: 検索アイコン、カートアイコン

    • メインビジュアル(ヘッダー直下、全幅):

      • PC版と同様にカルーセル表示だが、画像サイズはモバイル向けに最適化

    • コンテンツエリア(メインビジュアル下、全幅):

      • 商品表示は1列または2列のグリッドに調整

      • 特集バナーは縦に並べる

      • ブログ記事やニュースも1列表示に

    • フッター(最下部、全幅):

      • PC版より要素を絞り、主要なリンクのみを縦に配置。著作権表示は最下部に。

モバイルアプリのワイヤーフレーム例

次に、SNSアプリのタイムライン画面とプロフィール画面を例に、モバイルアプリのワイヤーフレーム構成要素を解説します。モバイルアプリでは、タッチ操作や片手操作を考慮したUI配置が重要です。

  • タイムライン画面

    • ステータスバー(最上部): 時間、バッテリー、通信状況など

    • ナビゲーションバー(ステータスバー直下、固定):

      • 左寄せ: 投稿作成アイコン

      • 中央: アプリロゴ/タイトル

      • 右寄せ: 通知アイコン

    • コンテンツエリア(ナビゲーションバー下、スクロール可能):

      • 各投稿ブロック:

        • 上部: ユーザーアイコン、ユーザー名、投稿時間、メニューアイコン(…)

        • 中央: 投稿画像/動画、投稿テキスト(複数行表示)

        • 下部: いいねアイコン、コメントアイコン、シェアアイコン、ブックマークアイコン

    • タブバー(最下部固定):

      • ホームアイコン、検索アイコン、投稿作成アイコン(中央に大きく)、通知アイコン、プロフィールアイコン

  • プロフィール画面

    • ステータスバー(最上部): 時間、バッテリー、通信状況など

    • ナビゲーションバー(ステータスバー直下、固定):

      • 左寄せ: 戻るボタン(<)

      • 中央: ユーザー名/プロフィール

      • 右寄せ: 設定アイコン

    • コンテンツエリア(ナビゲーションバー下、スクロール可能):

      • 上部:

        • 中央: プロフィール画像(円形)

        • プロフィール画像下: ユーザー名、自己紹介文

        • その下: フォロー数、フォロワー数、編集プロフィールボタン

      • 中央: 投稿タブ(写真、動画、いいねした投稿など)

      • 下部: 投稿一覧(3列のグリッド表示で画像サムネイル)

    • タブバー(最下部固定):

      • ホームアイコン、検索アイコン、投稿作成アイコン、通知アイコン、プロフィールアイコン(現在地を示すアクティブ表示)

まとめ:ワイヤーフレーム作成でプロジェクトを成功に導こう

本記事の要点と次への一歩

本記事では、Webサイトやアプリケーション開発において不可欠なワイヤーフレームについて、その目的から具体的な作成方法までを網羅的に解説してきました。ワイヤーフレームは、単なる画面設計図ではなく、アイデアを具体的な形にし、チームやクライアントとの認識を共有し、プロジェクトを円滑に進めるための強力なツールです。

改めて、本記事の要点を振り返ってみましょう。

  • ワイヤーフレームの目的と重要性: 開発の初期段階で全体像を可視化し、認識齟齬を防ぎ、手戻りを削減するために不可欠です。

  • 含めるべき基本要素: 画面遷移、情報構造、UI要素、ナビゲーション、インタラクションなど、必要な情報を網羅的に設計します。

  • 作成の具体的なステップ: 企画・情報収集からラフスケッチ、ツール選定、作成、レビュー、修正まで、段階的に進めることが成功の鍵です。

  • おすすめツールと活用方法: 無料・有料ツールを賢く選び、開発者への共有、プロトタイピング、関係者とのレビューに活用しましょう。

  • 作成のコツと注意点: 目的を明確にし、シンプルさを保ち、共通のルールを設けることで、より効果的なワイヤーフレームを作成できます。

これらの知識を活かし、ワイヤーフレーム作成に挑戦してみてください。あなたのアイデアを形にし、プロジェクトを成功へと導くための第一歩は、ワイヤーフレームから始まります。お読みいただきありがとうございました!

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