デザインスキルアップ!装飾・あしらい名称と活用事例

デザイン初心者の方へ。デザインの世界でよく耳にする「装飾」や「あしらい」という言葉。なんとなく使っているけど、具体的にどんな種類があって、どんな時に使うのか、きちんと説明できますか? この記事では、デザインの表現力を格段に上げるために、よく使われる装飾・あしらいの名称を分かりやすく解説します。Webデザイン、グラフィックデザイン、資料作成など、様々なシーンで役立つ情報が満載。プロも使っているテクニックをマスターして、あなたのデザインスキルをワンランクアップさせましょう!
デザインでよく使われる装飾・あしらい名称20選
デザインの引き出しを増やすために、よく使われる装飾やあしらいの名称とその特徴を20種類ご紹介します。それぞれの要素がどのような効果を持ち、どんな場面で活用できるのかを見ていきましょう。
1. 囲み線
囲み線は、特定の要素を線で囲むことで、その部分に注目を集めたり、関連する情報をグループ化したりする効果があります。Webサイトのカード型レイアウトや、資料の中で特に重要なポイントを際立たせたい場合などに活用されます。視覚的に情報を整理し、ユーザーに伝えたいメッセージを明確にするのに役立ちます。
2. 破線・点線
破線や点線は、実線とは異なり、区切りや補助線、あるいはデザイン的なアクセントとして使われる線です。例えば、Webサイトで一時的に利用できない機能を示す際や、インタラクティブ(ユーザーのアクションに対してシステムがリアルタイムで反応を起こす)な要素(ドラッグ&ドロップエリアなど)の境界を示すのに用いられます。柔らかい印象を与えたり、軽やかな雰囲気を演出したりする効果もあります。
3. 下線・アンダーライン
下線(アンダーライン)は、テキスト(本文)の下に引く線です。Webデザインにおいては、リンク(別の場所へ移動する入り口)であることを示す標準的な表現として非常に重要です。また、特定の語句を強調したい場合や、デザイン的な装飾としてテキストに個性を加えたい場合にも使われます。ただし、リンクと誤解されないよう、使用する際は注意が必要です。
4. 罫線
罫線は、表や図の区切り、あるいはレイアウトの補助として使われる線です。情報を整理し、構造を分かりやすくする役割を持ちます。例えば、Webサイトのセクション間(ページ内のコンテンツのまとまり)を区切ったり、資料の項目ごとに境界線を引いたりすることで、コンテンツの視認性を高めます。デザイン全体の統一感を出すためにも重要な要素です。
5. 影
影は、デザイン要素に奥行きや立体感を与える効果を持ちます。要素が背景から浮き上がっているように見せることで、デザインに深みを与え、視覚的な階層を表現するのに役立ちます。自然な影の表現は、ユーザーインターフェース(ユーザーと製品やサービスが接する接点。操作画面全般)にリアルさを加え、操作感を向上させる効果も期待できます。
6. ドロップシャドウ
ドロップシャドウは、オブジェクト(配置した図形など)の背後に落とされる影のことで、特に要素を浮き上がらせ、視覚的な階層を明確にする効果があります。Webデザインでは、ボタンやカード型レイアウトの要素によく使われ、クリックできる要素や重要な情報であることを直感的に伝えます。影のぼかし具合や距離を調整することで、様々な印象を演出できます。
7. 光彩(グロー)
光彩(グロー)は、オブジェクトの周囲に発光するような効果を与える装飾です。特定の要素に注意を引いたり、強調したりするのに使われます。SF的な雰囲気や、モダンで洗練されたデザインによく合います。例えば、インタラクティブな要素がアクティブ(活動的、操作が行われている状態)になった際や、重要な通知を目立たせたい場合などに効果的です。
8. グラデーション
グラデーションは、複数の色が滑らかに変化していく表現です。デザインに奥行きや高級感、あるいはダイナミックさを与えることができます。背景、ボタン、テキストなど、幅広い用途で使われ、単色では表現できない豊かな表情をデザインに加えます。色の組み合わせや方向によって、多様な印象を演出できるのが特徴です。
9. 枠
枠は、要素の周囲に配置される境界線や装飾的なフレームを指します。情報を区切ったり、写真や図の装飾として使われたりします。例えば、ブログ記事の引用部分を枠で囲むことで、本文との区別を明確にし、視覚的なアクセントを加えることができます。デザインのテイストに合わせて、線の太さや色、形状を選ぶことが大切です。
10. 吹き出し
吹き出しは、セリフやコメントを表現するための図形で、キャラクターの頭上などに描かれることが多い装飾です。Webサイトの注釈、マンガ風のデザイン、説明文などで親しみやすく情報を伝えるのに役立ちます。ユーザーに語りかけるようなデザインにすることで、メッセージへの興味を引きやすくなります。
11. リボン
リボンは、結び目のあるリボン状の装飾で、セール情報、注目コンテンツの表示、見出しの装飾など、目を引くアクセントとして使われます。デザインに華やかさや特別感を加えたい時に効果的です。例えば、「NEW」や「SALE」といった情報をリボンに載せることで、ユーザーの視線を強く引きつけることができます。
12. バナー
バナーは、広告や告知、ナビゲーションなどの目的で配置される帯状のグラフィックです。Webサイトでは、広告スペースや、特集記事への誘導などに使われ、視覚的な訴求力が高いのが特徴です。目を引くデザインやキャッチコピーを盛り込むことで、ユーザーのクリックを促し、目的のページへの遷移を促進します。
13. ボタン
ボタンは、ユーザーの操作(クリック、タップ)を促すためのUI要素です。視覚的にボタンであることが分かりやすいデザインが非常に重要で、装飾によってクリック率を高めることもできます。色、形、影、光彩などの組み合わせで、ユーザーに「押せる」ことを直感的に伝え、行動を促す役割を果たします。
14. アイコン
アイコンは、機能や情報を象徴する小さな図形です。直感的な理解を助け、UIを分かりやすくします。ナビゲーションメニュー、機能表示、リストの項目など、多岐にわたる場所で使われ、デザインのアクセントにもなります。視覚的に情報を伝えることで、言語の壁を越え、ユーザー体験を向上させます。
15. イラスト
イラストは、絵や図による表現で、デザインに個性や親しみやすさを与え、情報を分かりやすく補足します。Webサイト、書籍、広告など、幅広い媒体で活用されます。写真では表現しにくい抽象的な概念や、ブランドの世界観を伝えるのに特に効果的です。ターゲット層に合わせたタッチのイラストを選ぶことが重要です。
16. 写真
写真は、現実を写し取った画像で、デザインにリアリティや信頼感、感情的な訴求力を与えます。商品紹介、人物紹介、イメージビジュアルなどに不可欠な要素です。高品質で魅力的な写真を選ぶことで、ユーザーの興味を引き、伝えたいメッセージをより強く印象づけることができます。
17. テクスチャ
テクスチャは、素材感や表面の質感を表す表現です。デザインに深みやリアルさを加え、視覚的な面白さを生み出します。紙、布、木目、金属などの質感を模倣し、背景や要素の装飾として使われます。例えば、Webサイトの背景に紙のテクスチャを使うことで、温かみのある印象を与えることができます。
18. 背景パターン
背景パターンは、繰り返される図形や模様で構成される背景です。デザインに統一感やリズム感を与え、視覚的な面白さを加えます。Webサイトの背景や、印刷物のデザインに用いられ、ブランドの個性を表現する手段としても有効です。シンプルなパターンから複雑なものまで、多様な表現が可能です。
19. 装飾文字
装飾文字は、デザインに合わせて特別にデザインされたフォントや、既存の文字に装飾を加えたものです。見出しやタイトルにインパクトを与え、デザインの個性を際立たせます。手書き風、レトロ調、モダンなど、様々なスタイルがあり、メッセージのトーンに合わせて選ぶことで、より効果的なコミュニケーションが図れます。
20. その他(飾り罫、ロゴなど)
上記以外にも、デザインの細部を彩る要素は多岐にわたります。例えば、エレガントな「飾り罫」は、文章の区切りやフレームとして使われ、デザインに上品さを加えます。また、ブランドの象徴である「ロゴ」も重要な装飾・あしらい要素であり、視覚的なアイデンティティを確立します。これらを効果的に配置することで、デザイン全体の完成度を高め、プロフェッショナルな印象を与えることができます。
装飾・あしらいの選び方と効果的な使い方
デザインにおける装飾やあしらいは、単に見た目を良くするためだけのものではありません。メッセージを効果的に伝え、ユーザー体験を向上させるための重要な要素です。ここでは、装飾・あしらいを適切に選び、効果的に活用するためのポイントを解説します。
デザインの目的を明確にする
装飾やあしらいを選ぶ上で最も大切なのは、そのデザインが「何を伝えたいのか」「誰に伝えたいのか」という目的を明確にすることです。例えば、商品の魅力を伝えたいのか、イベントへの参加を促したいのかによって、選ぶべき装飾は大きく変わります。目的に沿った装飾を選ぶことで、意図が効果的に伝わり、デザインの成果に直結します。
ターゲットに合わせたデザイン
デザインの受け手となるターゲット層を理解することも非常に重要です。年齢層、性別、興味関心、文化背景などを考慮し、ターゲットに響く装飾・あしらいを選びましょう。若年層にはトレンド感のあるポップな装飾が、ビジネス層には信頼感のあるシンプルな装飾が適しているかもしれません。ターゲットに合わせたトーン&マナーで、共感を呼ぶデザインを目指しましょう。
デザインのトーン&マナーを意識する
デザイン全体の雰囲気やスタイル、つまり「トーン&マナー」(ブランドや企業が一貫した印象を伝えるためのの指針。色、フォント、言葉遣いなど)は、ブランドイメージや伝えたい印象を決定づける要素です。装飾・あしらいは、このトーン&マナーと調和するものを選びましょう。例えば、高級感を演出したいデザインにカジュアルな吹き出しを使うと、全体にちぐはぐな印象を与えてしまいます。一貫性のあるデザインは、プロフェッショナルな印象を与え、見る人に安心感を与えます。
視覚的な階層を作る
装飾・あしらいは、情報の重要度に応じた視覚的な優先順位(階層)を作るためにも活用できます。例えば、重要な見出しには影や太い枠線を施したり、強調したいテキストにはグラデーションを適用したりすることで、自然と視線が誘導されます。ユーザーが情報をスムーズに追えるように、強弱をつけたデザインを心がけましょう。
情報を整理し、見やすくする
複雑な情報や多くの要素を扱うデザインでは、装飾・あしらいを活用して情報を整理し、視認性を高めることができます。例えば、複数の項目を箇条書きにする際にアイコンを添えたり、関連する情報を囲み線でまとめたりすることで、情報が整理され、理解しやすくなります。適切な区切り線や吹き出しを使うことで、見た目もすっきりと、分かりやすいデザインになります。
デザイン初心者向け!装飾・あしらいの活用事例
これまで解説してきた装飾やあしらいは、それぞれの特性を理解することで、さまざまなデザインシーンで効果的に活用できます。ここでは、Webデザイン、グラフィックデザイン、資料作成という3つの主要な分野における具体的な活用事例をご紹介します。
Webデザインでの活用事例
Webサイトでは、ユーザーが迷わずに情報を得られるように、装飾やあしらいが重要な役割を果たします。
例えば、ボタンに「ドロップシャドウ」や「光彩」を加えることで、クリックできる要素であることを視覚的に強調し、ユーザーの操作を促すことができます。また、ECサイトの商品一覧などでよく見られるカード要素には、「囲み線」や「影」をつけることで、一つひとつの情報を区切り、見やすく整理することが可能です。
さらに、「アイコン」は、そのマークを見るだけで機能や内容を直感的に理解させる効果があります。例えば、カートアイコンは購入機能、虫眼鏡アイコンは検索機能といった具合です。このように、適切な装飾やあしらいを用いることで、Webサイトの使いやすさ(ユーザビリティ)と視覚的な魅力の両方を向上させることができます。
グラフィックデザインでの活用事例
ポスター、パンフレット、名刺といったグラフィックデザインにおいても、装飾やあしらいは情報の伝達やブランドイメージの構築に欠かせません。
例えば、セール情報やキャンペーンを強調したい場合には、「リボン」のあしらいを使うことで、目を引くアクセントになります。高級感を演出したいパンフレットや招待状には、「飾り罫」を効果的に配置することで、洗練された印象を与えることができます。
また、親しみやすい雰囲気を表現したい場合は、「イラスト」を多用したり、手書き風の「装飾文字」を使ったりすることも有効です。名刺では、シンプルな「罫線」で情報を整理したり、会社の「ロゴ」を際立たせたりすることで、プロフェッショナルな印象を与えることができます。グラフィックデザインでは、媒体の目的やターゲット層に合わせて、装飾の選択と配置を工夫することが重要です。
資料作成での活用事例
プレゼン資料やビジネス文書など、情報を分かりやすく伝えるための資料作成でも、装飾やあしらいは非常に役立ちます。
例えば、箇条書きの項目には、通常の点ではなく、内容に合わせた「アイコン」を配置することで、視覚的な楽しさを加えつつ、情報の種類を瞬時に理解させることができます。特に強調したい箇所や補足説明には、「吹き出し」を使うことで、注目を集め、読み手の理解を深めることができます。
セクションの区切りや情報のグループ分けには、「罫線」を引くことで、視覚的な階層を作り、資料全体の構造を分かりやすく示せます。また、グラフや図表の背景に「グラデーション」や「背景パターン」を薄く使うことで、単調になりがちな資料に奥行きと洗練さを加えることも可能です。資料作成における装飾・あしらいは、情報を整理し、読み手の理解を助けるための強力なツールとなります。
デザインスキルをさらに高めるために
装飾やあしらいの知識を深めたら、次は実践を通してデザインスキルをさらに高めていきましょう。ここでは、デザイン制作に欠かせないツールの活用法、インスピレーション源となるサイト、そして効果的な学習方法についてご紹介します。
デザインツールの活用
デザインのアイデアを形にするためには、適切なデザインツールを使いこなすことが不可欠です。主要なデザインツールを理解し、機能を効果的に活用することで、装飾やあしらいをより洗練された形で表現できるようになります。
代表的なツールとしては、以下のようなものがあります。
Adobe Illustrator: ロゴやイラスト、アイコンなどのベクターグラフィック(画像を点の座標などの数値で表現する形式)制作に最適です。パスツールやグラデーションツールを使いこなすことで、複雑な形状や美しい色表現が可能です。
Adobe Photoshop: 写真加工や合成、Webサイトのモックアップ(製品の完成形を視覚的に表現したサンプル)作成によく使われます。レイヤースタイル機能(ドロップシャドウ、光彩など)を活用すれば、立体感や質感を簡単に表現できます。
Figma: WebサイトやUI/UXデザインに特化したツールで、複数人での共同作業がしやすいのが特徴です。コンポーネント機能を使えば、ボタンやアイコンなどの装飾を効率的に管理し、一貫性のあるデザインを制作できます。
これらのツールの機能を深く理解し、実際に手を動かして試すことで、デザインの幅は大きく広がります。
参考になるデザインサイト
デザインのインスピレーションを得たり、最新のトレンドを把握したりするためには、優れたデザインギャラリーやブログを参考にすることが有効です。
Pinterest / Behance: 世界中のデザイナーが作品を公開しているプラットフォームです。キーワード検索で、特定の装飾やあしらいがどのように使われているか、具体的な事例を多数見つけることができます。
Muzli / Awwwards: 最新のWebデザインやUIデザインの事例が豊富に紹介されています。美しいレイアウトやインタラクション(ユーザーとシステム間の相互作用、対話)、配色など、あらゆる要素からヒントを得られます。
Webデザイン関連のブログ: デザインのチュートリアル(指導資料、ガイド)や、ツールの使い方、デザイン理論などを解説しているブログも参考にしましょう。専門家の視点から、装飾・あしらいの効果的な使い方や、デザインの原則を学ぶことができます。
これらのサイトを定期的にチェックし、良いと思ったデザインをストックしておくことで、いざという時に役立つ引き出しが増えていきます。
デザインの勉強方法
デザインスキルを継続的に向上させるためには、日々の学習が欠かせません。独学でも実践できる効果的な勉強方法をいくつかご紹介します。
模写: 気になるWebサイトやポスターなどを、デザインツールを使ってそっくりそのまま再現してみましょう。色使い、フォント、レイアウト、そして装飾・あしらいの配置など、細部にまで意識を向けることで、プロの技術を体得できます。
チュートリアル学習: YouTubeやオンライン学習プラットフォーム(特定の機能やサービスを提供する基盤)には、デザインツールの使い方や特定のエフェクトの作成方法など、実践的なチュートリアルが豊富にあります。手を動かしながら学ぶことで、知識が定着しやすくなります。
フィードバックの活用: 制作したデザインを友人や同僚に見てもらい、率直な意見をもらいましょう。自分では気づかなかった改善点が見つかることがあります。デザインコミュニティに参加して、他のデザイナーからフィードバックをもらうのも良い方法です。
デザイン原則の学習: 配色、タイポグラフィ(文章や文字を読みやすくする技術)、レイアウト、コントラストなど、デザインには普遍的な原則があります。これらを体系的に学ぶことで、感覚だけでなく理論に基づいたデザインができるようになります。
これらの方法を組み合わせながら、楽しみながらデザインの学習を続けていきましょう。
まとめ
この記事では、デザインの表現力を格段に高めるために、よく使われる装飾やあしらいの名称とその活用方法について解説しました。
装飾やあしらいは、単なる飾りではなく、情報を整理し、視覚的な階層を作り、ユーザーの感情に訴えかける重要な役割を担っています。囲み線や影、グラデーションといった基本的なものから、吹き出しやリボン、アイコンといった具体的な要素まで、それぞれの特徴と効果的な使い方を理解することで、デザインの引き出しを増やし、より魅力的で効果的なデザインを制作できるようになります。
デザインの目的やターゲット、トーン&マナーを意識しながら、適切な装飾やあしらいを選び、実践的な活用事例を参考にしながら、ぜひご自身のデザイン制作に取り入れてみてください。
デザインスキルは、日々の学習と実践の積み重ねによって向上します。この記事で得た知識を活かし、デザインツールの活用や参考サイトでの情報収集を通じて、あなたのデザイン表現力をさらに磨き上げていきましょう。お読みいただきありがとうございました!
